村本浩平さんのコラム~軽種馬品評会~【後編】

村本浩平さんのコラム(後編)をお楽しみください!




13時から始まった品評会は、15時過ぎに三石軽種馬共同育成センターでの出陳馬を見せてもらった後に、JAみついし本所へと戻ってきた。その時、職員の方から、

「みんなで選んだ馬大賞の用紙を回収します」

と声をかけられたので急いで記入を行うと、三石に店を構える「こむぎ工房 茶飛」の食パンが入った袋を渡された。以前から「みんなで選んだ馬大賞とはなんぞや?」と思ってきたが、これは品評会同行者によって決められる賞であり、ある意味、最も価値のある賞なのかもしれない。

その食パンを手にしながら、JAみついし本所の会議室へと入っていく。そこでは浮島理場長や遊佐繁基場長だけでなく、日高育成牧場職員も加えての審査が始まろうとしていた。審査ではまず浮島場長と遊佐場長が、高い評価をしていた馬の名前をあげていく。その中で2人の意見が被った馬に関しては、後ほどに順番付けをしていくのだが、被らなかった馬に関しても、それぞれが意見を交わし合った。

(会議室での審査の様子)

自分も手にしていたメモに記してあった点数を見ながら、その話を聞いていたのだが、幸いなことにと言うのか、ほぼ、2人の意見と一緒だったのにホッとした。ただ、浮島場長と自分が高く評価していた馬が、遊佐場長や日高育成牧場職員の評価がそれほどでもなく、その理由も聞いた時に、改めて品評会ならではの馬の見方を学んだような気がした。

こうして牡馬、牝馬ともに数頭の馬をピックアップしていった後、最優秀賞1頭と優秀賞の2頭に加えて、ベストターンドアウト賞に選出する馬を決めていった。その選考理由も納得がいくものであり、牡馬の最優秀賞に選ばれたラフメイカー2023(牡、父ホッコータルマエ、山際牧場出陳)は、筆者も全14頭の中で最も高い評価をしていた馬だった。また、牝馬の最優秀賞に選ばれたイセノラヴィソン2023(牝、父ベストウォーリア、三石軽種馬共同育成センター出陳)も、牝馬らしい美しいフォルムが印象に残っていた。
(品評会当日のラフメイカー2023)
(品評会当日のイセノラヴィソン2023)

表彰式の後には、Aマートみついしの隣にあった屋内スペースで懇親会が行われた。平野会長からは事前に、
「懇親会ではみついし和牛を存分に食べてください!」

と言われていたものの、生産者の皆さんとの会話は尽きることなく、あっという間に時間が経っていった。生産者の中には以前に取材やセリ市などで面識ができていた方も多く、懇親会でも常にフレンドリーに接してもらえた。

こうした雰囲気の良さは三石地区ならではだな、と改めて思っただけでなく、地区を通しての一体感があるからこそ、今年で66回という歴史のある品評会を継続していけるのだろうとも感じさせられた。この場を借りて、改めてお声がけいただいた平野会長。そして、三石軽種馬生産振興会の皆さんやみついし農業協同組合の皆さん、そして、素晴らしい出陳馬を見せていただいた各牧場関係者の方にお礼を申しあげたい。

もし、来年も品評会に呼んでいただけるのならば、その時は審査員ではなく、「みんなが選んだ馬大賞」の集計係にとして参加させていただければ…と思っている(笑)。本当に皆さん、今回はお世話になりました!

(入賞者の記念撮影)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)